備忘録的な意味も兼ねて、読書感想文も書いていきます。
読んでる最中から内容を忘れてしまうので。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
著:アンディ・ウィアー
訳:小野田和子
出版社:早川書房
単行本:2021年12月
だいたいのストーリー
地球の危機を救うべく片道燃料を積んだ宇宙船で宇宙に旅立つ一人の男(本人は望んでいない)が、地球と全く同じ問題で危機を迎えているエリドという惑星のエリド人(エリディアン)と出会う。
評価&感想
90点
『火星の人』の著者、アンディ・ウィアーの3作目。
と偉そうに言ったものの、『火星の人』は読んでないです。
『火星の人』が原作の映画『オデッセイ』は観てます。
大好き。
火星に1人取り残されてしまった宇宙飛行士が、シリアスになるではなく、ひたすら無駄口叩きながらめちゃくちゃ前向きに生き抜くという映画。
超ポジティブになれる映画。
監督はリドリー・スコット。
そんな『オデッセイ』の原作を書いた人の新作ならまず間違いない。
というか、アトロクで宇多丸さんが大絶賛しまくりだったから読んでみただけなんですが、これは確かにあそこまでネタバレ厳禁していた理由が分かる。
ここでは大いにネタバレしてますけど。
がしかし、大きすぎた期待とは裏腹に、全体の3/4ぐらいまで読み進めてもなお、「確かに面白い。けどそこまでか?」というモヤモヤを抱え続けていました。
エリディアンのロッキー(地球外生命体)とのファーストコンタクト然り、そこからのコミュニケーションを取って、同じ境遇の科学者とエンジニアとしてタッグを組んで共に困難に立ち向かい乗り越えていく様は確かに斬新だし面白いんだけど。
正直なところ「みんながこぞって大絶賛しているほど自分はノレていない!」という残念な気持ちが勝ってました。
「全力で楽しめてねぇー」感。
だったのですが、そこから先。
いよいよすべての問題が解決し、それぞれが地球とエリドへ向かって帰還し始めて以降の展開が、これまでの僕のモヤモヤをすべてぶっ飛ばしてしまうほどに最高!!
自分を犠牲にして相手を助けに行くという、バディもので一番上がる展開も、その「犠牲」の重みの重みたるや、見て見ぬふりだって全然できる状況だし許されただろうに。
そしてその犠牲すらも科学の力で乗り越えて、さらにその先に待ち受ける心温かくも切なく、それでいて希望に満ち溢れているという結末。
とんでもない読後感。
科学がある限り、人類の未来は希望に満ちている!
結論、本当に最高でした。
直前に『三体』を読んでたのも、そのギャップと共通点を感じられてよかった。
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